「いい人」から買いたい③


 

前回「いい人」とは、対人能力、コミュニケーション能力に優れた人で、

「いい会社」とはそういう人のいる会社というようなことを書きました。

では、「いい人」「いい会社」になるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

それは(そもそもの話になって恐縮ですが)、

まず経営者が自社が市場に存在する意義を見出し、

「経営理念(≒パーパス)」を掲げ、そして社内外に継続して語り、

自らもその理念実践し社員さんはもちろんアルバイト、パートさん、

取引先、業者さんにまでに伝播させていく、

というようなことではないでしょうか。

地道なやり方ですが、根気強く浸透させていくしかありません。

 

つまり、

市場に存在意義がある会社=いい会社

会社(社内、社外)そして顧客にとっても存在意義がある人=いい人

なのです。

 

経営者が口先でどんなにいいこと、立派なことを言っても、

それで「いい人」にも「いい会社」にもなりませんし、

まして経営者自身が有言不実行なら、社内外のスタッフはだれも真に受けてくれません。

※余談

残念な経営者にありがちなのは、経営の神様、

稲盛和夫さんや松下幸之助さんの言葉をそのまま社訓やフィロソフィーとして掲げ、

朝礼等で社員全員で唱和する、というケースがありますが、

経営者の自己満足でしかなく、そんな借り物でお茶を濁すのは、

笑止千万!やらない方がまし、時間の無駄ですね。

 

これは、「社員教育」とか「社員研修」とかのレベルではなく、

突き詰めれば「人間教育」ということになるのではないでしょうか。

単に学力(学歴)とか知力(IQ)とか業務遂行スキルとかではなく

共感力=EQ(こころの知能指数)ともいわれる能力を高めていくことが

今後ますます大切になってきます。

 

一般的に共感力=EQが高い人は冷静で落ち着いていて、素直に相手の話に耳を傾けます。

また他の人に対しての「思いやり」があり、周りの人からは「いい人」という印象をもたれ、

人間関係が悪化してしまうことはほとんどありません。

 

要するに、対人能力・コミュニケーション能力が高く、

人間関係を良好に保つことができる人が「いい人」ともいえるのです。

 

特に高額商品は購入後担当の営業から

サービス担当やメンテナンス担当に引き継がれることも多く、

例え最初の営業が「いい人」でも、

その後のサービス、メンテナンス担当が「いい人」ではなかったら、どうでしょう?

クルマは次回買い替えのとき別のディーラーに行くかしれませんが、

住宅の場合はそう簡単に住み替えはできません。

特に商品(住宅・クルマ等)が気に入ってそこで買ったのに、

その後はストレスになるなんて、考えただけでも気が滅入りますよね。

 

そして「いい人」の最大のアドバンテージは、「紹介」が繋がっていくことです。

マーケティングの究極は「売らないで売れていく」です。

あなたの会社は「いい会社」ですか?「いい人」はいますか?